セトゥーバル

観光・ポルトガル

ポルトガル、セトゥーバル:海と自然、そして美食に抱かれた魅力的な都市

ポルトガル南西部に位置するセトゥーバルは、リスボンからほど近いながらも、どこかゆったりとした時間が流れる魅力的な港町です。テージョ川とサドー川が合流し、大西洋へと注ぐ河口に面したこの地は、古くから漁業と商業で栄えてきました。豊かな自然、歴史的な建造物、そして新鮮な海の幸を堪能できるグルメは、訪れる人々を魅了してやみません。今回は、そんなセトゥーバルの詳細、周辺情報、観光、グルメ、そして筆者の感想を2000文字以上でお届けします。

セトゥーバルという街:地理と歴史的背景

セトゥーバルは、リスボンから南東へ約40キロメートル、電車で約45分というアクセスの良さを誇ります。テージョ川の河口に位置するため、大西洋からの風が心地よく吹き抜ける温暖な気候が特徴です。歴史的には、古代ローマ時代から人が住み着き、その後、ムーア人の支配を経て、ポルトガル王国の一部となりました。特に、大航海時代には重要な港として発展し、多くの船が出航していきました。現在でも、港町としての活気は失われておらず、新鮮な魚介類が日々水揚げされています。

地理的特徴と気候

セトゥーバルは、サドー川の三角州に広がり、北にはテージョ川、西には大西洋が広がっています。この地理的特徴が、豊かな海洋資源をもたらし、セトゥーバルの食文化を支えています。気候は、年間を通じて温暖で、夏は乾燥し、冬は穏やかな雨が降ります。年間平均気温は約17度で、特に春と秋は観光に最適な時期と言えるでしょう。

歴史的発展

セトゥーバルの歴史は古く、紀元前2世紀頃にローマ人がこの地に植民地を築いたとされています。その後、7世紀から11世紀にかけてムーア人の支配下に置かれ、その影響は建築様式や地名などに今も残っています。1147年にポルトガル王アフォンソ・エンリケスによってレコンキスタが完了し、ポルトガル王国に組み込まれました。中世以降、漁業と塩の生産で栄え、15世紀には大航海時代における重要な拠点となりました。1755年のリスボン大地震では甚大な被害を受けましたが、その後復興を遂げ、近代的な都市へと発展しました。

セトゥーバル周辺の魅力:自然と文化の宝庫

セトゥーバル市街地だけでなく、その周辺地域にも訪れるべき魅力が満載です。特に、自然保護区や歴史的な町並みは、セトゥーバル旅行をより一層豊かなものにしてくれます。

アルコバカ修道院とバターリャ修道院:世界遺産の荘厳さ

セトゥーバルから車で約1時間半の距離には、ユネスコ世界遺産に登録されているアルコバカ修道院とバターリャ修道院があります。アルコバカ修道院は、ポルトガルで最も重要なゴシック建築の一つであり、悲恋の物語で知られるペドロ1世とイネス・デ・カストロの墓があります。一方、バターリャ修道院は、1385年のアルジュバロータの戦いの勝利を記念して建てられた、マヌエル様式の傑作です。これらの修道院は、ポルトガルの歴史と芸術の深さを感じさせてくれます。

アルテージョ自然公園:手つかずの自然を満喫

セトゥーバル市街地のすぐ南に広がるアルテージョ自然公園は、セトゥーバルの自然の宝庫です。広大な森林、起伏に富んだ丘陵地帯、そして美しい海岸線が広がっており、ハイキングやサイクリング、バードウォッチングなどを楽しむことができます。公園内には、古代の巨石記念物や伝統的な農村風景も残されており、ポルトガルの素朴な暮らしに触れることができます。特に、海岸沿いの崖に立つ灯台からの眺めは圧巻です。

アレンテージョ地方への玄関口

セトゥーバルは、ポルトガル南東部に広がる広大なアレンテージョ地方への玄関口でもあります。アレンテージョ地方は、コルク樫の森、オリーブ畑、そして広大な平原が広がる、ワインやオリーブオイルの産地として有名です。セトゥーバルを拠点に、アレンテージョ地方のワイナリーを訪れたり、美しい田園風景をドライブしたりするのもおすすめです。

セトゥーバルでの観光:歴史と現代の融合

セトゥーバル市街地には、歴史的な建造物と活気ある現代の生活が共存しており、散策するだけでも楽しめます。

カストロ・ダス・ムリエラス(Casta de Moliéres):古代の面影

セトゥーバル市街地からほど近い丘の上にあるカストロ・ダス・ムリエラスは、紀元前4世紀頃に築かれた古代の集落跡です。現在は保存状態の良い円形の城壁や住居跡が残されており、当時の人々の生活を偲ぶことができます。ここからのセトゥーバル市街地とサドー川の眺めも素晴らしいです。

ゼ・ド・ピント広場(Praça do Sado):活気あふれる中心地

セトゥーバルの中心部にあるゼ・ド・ピント広場は、市民の憩いの場であり、様々なイベントが開催される活気あふれる場所です。周辺には、カフェやレストラン、ショップが立ち並び、地元の人々の賑わいを感じることができます。広場にある噴水や彫刻も趣があります。

セトゥーバル市立美術館(Museu de Setúbal):芸術と歴史

セトゥーバル市立美術館は、かつての邸宅を改装したもので、セトゥーバルとその周辺地域の歴史、考古学、美術に関するコレクションを展示しています。特に、ルネサンス期の祭壇画や、セトゥーバルの伝統的な漁業に関する展示は興味深いです。

マーケット(Mercado do Livramento):活気ある食品市場

セトゥーバルの市場、マーケット・ド・リヴラメントは、早朝から地元の人々で賑わう活気ある食品市場です。新鮮な魚介類はもちろん、地元の野菜や果物、チーズ、パンなどが豊富に並びます。市場の活気を感じながら、地元の人々の生活を垣間見ることができます。ここで購入した新鮮な魚介類を、近くのレストランで調理してもらうのもおすすめです。

セトゥーバルでのグルメ:海の恵みと地方の味覚

セトゥーバルといえば、やはり新鮮な魚介類が最大の魅力です。しかし、それだけでなく、アレンテージョ地方の伝統的な味覚も楽しめます。

チョリソ(Choriço)

セトゥーバルのチョリソは、豚肉にパプリカやニンニクなどの香辛料を加えて乾燥させたソーセージで、セトゥーバルを代表する特産品の一つです。そのまま食べても、煮込み料理に使っても美味しく、お土産にも最適です。

シャルドネ(Sardinha Assada):炭火焼きイワシ

セトゥーバルの港町らしい、新鮮なイワシを炭火で焼いた料理は、シンプルながらも絶品です。特に夏場は、港の近くのレストランで、獲れたてのイワシを豪快に焼いて提供しています。レモンを絞って、焼きたての香ばしさを味わってください。

シャトー・デ・カステロ(Choco Frito):揚げたてイカ

セトゥーバル名物として外せないのが、シャトー・デ・カステロ、つまり揚げたてのイカです。新鮮なイカを一口大にカットし、衣をつけてカラッと揚げたもので、外はカリッと、中は柔らかく、驚くほど美味しいです。レモンを絞っていただくのが定番の食べ方です。

フェイジョアーダ(Feijoada):豆と肉の煮込み

ポルトガルを代表する煮込み料理、フェイジョアーダもセトゥーバルで楽しめます。豚肉や牛肉、ソーセージなどを豆と一緒にじっくり煮込んだもので、ボリューム満点かつ滋味深い味わいです。

ワイン(Vinho):アレンテージョ地方の恵み

セトゥーバルは、アレンテージョ地方のワインに囲まれた地域でもあります。地元のレストランでは、手頃な価格で美味しいポルトガルワインを楽しむことができます。特に、アレンテージョ地方の赤ワインは、果実味豊かで力強い味わいが特徴です。

セトゥーバル旅行の感想:心温まる体験

セトゥーバルは、リスボンのような大都市の喧騒から離れ、ポルトガルの本来の魅力を存分に味わえる場所でした。港町ならではの活気と、地元の人々の温かいおもてなしに触れることができ、心温まる体験となりました。

ゆったりとした時間

セトゥーバルでは、時間に追われることなく、ゆったりとした時間を過ごすことができました。港を眺めながらの散策、海辺のカフェでのんびりとしたひととき、そして新鮮な海の幸を堪能する食事は、日常の疲れを癒してくれます。

地元の人々との交流

セトゥーバルで出会う人々は、皆親切で温かい人ばかりでした。市場で買い物をしたり、レストランで食事をしたりする際に、笑顔で話しかけてくれたり、おすすめの料理を教えてくれたりしました。このような地元の人々との交流が、旅をより一層豊かなものにしてくれます。

自然の美しさ

アルテージョ自然公園の雄大な自然や、テージョ川とサドー川が合流する河口の美しい景色は、訪れる人々に感動を与えてくれます。特に、夕暮れ時の空と海の色合いは、息をのむほど美しかったです。

まとめ

セトゥーバルは、歴史、文化、自然、そして美食が調和した、ポルトガルの中でも特別な魅力を持つ都市です。リスボンから手軽にアクセスできるにも関わらず、ゆったりとした時間が流れ、地元の人々の温かさに触れることができます。新鮮な魚介類を堪能し、美しい自然を散策し、歴史的な建造物に思いを馳せる。そんな、心満たされる旅を求めている方には、セトゥーバルを強くお勧めします。ポルトガルの隠れた宝石とも言えるこの街で、忘れられない思い出を作ってみてください。

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