サンタンドレ

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サンタンデール:スペイン北部の宝石

スペイン北部、カンタブリア州の州都サンタンデール。ビスケー湾に面した美しい海岸線と、洗練された都市景観が魅力のこの街は、近年、隠れたヨーロッパの観光地として注目を集めています。この記事では、サンタンデールの詳細な情報はもちろん、周辺エリアの魅力、おすすめの観光スポット、そして心躍るグルメ情報まで、余すところなくご紹介します。サンタンデールを訪れるすべての人々、そしてこれから訪れたいと考えている人々にとって、必見の内容となるでしょう。

サンタンデールとは?:歴史と地理

サンタンデールは、その歴史を古くから遡ることができます。ローマ時代には既に交易港として栄え、その後、中世には重要な港湾都市としての地位を確立しました。特に19世紀以降、王室の避暑地としても選ばれたことで、その都市としての発展は加速し、美しい建築物や公園が数多く整備されました。地理的には、スペイン北部のバスク地方とアストゥリアス地方の間に位置し、緑豊かな山々と紺碧の海が織りなす自然の美しさに恵まれています。温暖な海洋性気候に属するため、年間を通じて比較的過ごしやすい気候ですが、夏は涼しく、冬は穏やかなのが特徴です。

アクセス方法

サンタンデールへのアクセスは、主に空路、陸路が考えられます。

  • 空路:サンタンデール空港(SDR)は、スペイン国内の主要都市(マドリード、バルセロナなど)をはじめ、ロンドン、ダブリンなど、ヨーロッパのいくつかの都市からも直行便が運航しています。空港からは、バスやタクシーで市内中心部へ約20分程度です。
  • 陸路:スペイン各地からは、鉄道や高速バス(ALSAなど)が利用可能です。特にマドリードからは、高速鉄道(AVE)で約3時間半、バスで約4時間半程度でアクセスできます。

サンタンデール市内の観光スポット

サンタンデール市街には、訪れる人々を魅了する数々の見どころがあります。洗練された都市景観と、港町の活気が見事に融合した街並みを散策してみましょう。

ペーニャ・カバデガ(Peninsula de la Magdalena)

サンタンデールの代名詞とも言える、最も象徴的な場所です。ビスケー湾に突き出た半島に広がる広大な公園で、かつてスペイン王室の夏の離宮であったマグダレナ宮殿がそびえ立っています。宮殿の見学はもちろん、広大な敷地内には動物園、ミニトレイン、そして美しいビーチや散策路が整備されており、一日中楽しむことができます。特に、宮殿からの眺めは息をのむほど美しく、サンタンデールの街並みとビスケー湾のパノラマビューは格別です。

ペーニャ・カバデガのミニ動物園

ペーニャ・カバデガ公園内にあるこの小さな動物園は、アシカ、ペンギン、そしていくつかの種類の鳥類など、主に沿岸性の動物たちが飼育されています。子供連れにも人気で、リラックスした雰囲気の中で動物たちとの触れ合いを楽しむことができます。

セントロ・ボティン(Centro Botín)

サンタンデールのウォーターフロントに位置する、現代アートの美術館です。建築自体も非常にユニークで、2つの円筒形の建物が海上に突き出すようにデザインされています。内部では、国内外の著名なアーティストの作品が展示されており、芸術に触れる機会を提供しています。美術館からの眺めも素晴らしく、海と街並みを同時に楽しむことができます。

サンタンデール大聖堂(Catedral de Santander)

都市の中心部に位置する、歴史ある大聖堂です。ゴシック様式を基調とした荘厳な建築は、街のシンボルの一つとなっています。内部には、かつてこの地を治めた王族の墓所もあり、歴史を感じさせる静謐な空間が広がっています。周辺の街並みも風情があり、散策に最適です。

エル・サルド(El Sardinero)

サンタンデールを代表する美しいビーチエリアです。広々とした砂浜が広がり、夏には多くの人々で賑わいます。ビーチ沿いには、おしゃれなカフェやレストランが立ち並び、リゾート気分を満喫できます。散策やジョギングにも最適で、海風を感じながらリフレッシュできます。

アブード(El Abra)

エル・サルドから続く、もう一つの美しいビーチです。より静かで落ち着いた雰囲気があり、のんびりと過ごしたい方におすすめです。波も穏やかなため、海水浴や日光浴に最適です。

カンテブル(Cantábrico Seafront Promenade)

サンタンデールの海岸線を彩る、美しい遊歩道です。海岸線に沿って整備されており、潮風を感じながらの散歩は格別です。途中には、ベンチやカフェもあり、休憩を挟みながら景色を楽しむことができます。夕暮れ時には、オレンジ色に染まる空と海が幻想的な光景を作り出します。

サンタンデール周辺の魅力

サンタンデール市内だけでなく、その周辺エリアにも、訪れる価値のある魅力的な場所がたくさんあります。自然の美しさや、歴史的な遺産を求めて、足を延ばしてみましょう。

アルト・デ・バール(Alto de la Narcia)

サンタンデールから車で約30分ほどの場所にある、美しい海岸線が広がるエリアです。断崖絶壁から望む海の景色は圧巻で、写真撮影にも最適です。ハイキングコースも整備されており、自然を満喫できます。

リエンクレス(Liencres)

サンタンデールから西へ約20kmに位置する、美しい自然保護区です。広大な砂丘地帯と、松林が広がり、独特の景観を作り出しています。海岸沿いの遊歩道を散策すれば、雄大な自然を感じることができます。

プエンテ・ビエッホ(Puente Viejo)

サンタンデールから内陸へ車で約1時間ほどの場所にある、歴史的な石造りの橋です。周囲の緑豊かな自然と相まって、絵画のような美しい風景を作り出しています。静かな田舎の風景を楽しみたい方におすすめです。

サン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラ(San Vicente de la Barquera)

サンタンデールから西へ約50kmにある、美しい漁港の町です。古い橋や歴史的な教会が点在し、風情ある雰囲気を楽しめます。新鮮なシーフードも堪能できます。

サンタンデールのグルメ:海の恵みを堪能

サンタンデールは、新鮮な海の幸を堪能できる美食の街でもあります。地元ならではの食材を使った料理は、訪れる人々を満足させること間違いなしです。

シーフード

ビスケー湾で獲れた新鮮な魚介類は、サンタンデールの食の主役です。特に、アンチョビ(Boquerones)は有名で、様々な調理法で提供されます。その他、ムール貝(Mejillones)アサリ(Almejas)エビ(Gambas)タコ(Pulpo)などは、シンプルに調理されることが多く、素材本来の旨味を存分に味わえます。

モルシージャ(Morcilla)

豚の血と米、玉ねぎなどを混ぜて作られる、ソーセージの一種です。サンタンデール周辺の地域でもよく食べられており、独特の風味と食感が特徴です。炒めたり、グリルしたりして楽しまれます。

ソバオ(So bao)

カンタブリア州を代表するチーズで、牛乳を原料として作られます。クリーミーでマイルドな味わいが特徴で、パンに塗ったり、料理に使ったりと幅広く利用されます。地元の市場で探してみるのも楽しいでしょう。

トハ(Tosta)

パンの上に様々な具材を乗せた、オープンサンドのような料理です。サンタンデールでは、シーフードや地元の野菜を使ったトハが人気です。軽食やおつまみに最適です。

地元のレストラン

サンタンデールには、高級レストランから、地元の人が通うバルまで、様々な飲食店があります。特に、港の近くには、新鮮な魚介類をリーズナブルな価格で提供するお店が多くあります。地元の人々におすすめを聞いてみるのも良いでしょう。

まとめ

サンタンデールは、美しい海岸線、豊かな歴史、そして洗練された文化が融合した、魅力あふれる都市です。都会的な雰囲気と、穏やかなリゾート気分を同時に味わえるのが、この街の大きな魅力と言えるでしょう。ペーニャ・カバデガでのんびり過ごしたり、セントロ・ボティンでアートに触れたり、美味しいシーフードに舌鼓を打ったりと、サンタンデールでの滞在は、きっと忘れられない思い出となるはずです。スペイン北部への旅行を計画されている方は、ぜひサンタンデールを訪れて、その隠れた魅力を体験してみてください。

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