バーリ

観光・イタリア

バーリ:アドリア海に抱かれたプーリア州の宝石

イタリア南部、プーリア州の州都バーリは、アドリア海に面した美しい港町です。その歴史は古く、古代ギリシャ時代から交易の拠点として栄え、ローマ帝国、ビザンツ帝国、ノルマン朝、アンジュー朝、アラゴン朝など、数々の文化が交錯した豊かな歴史を有しています。そんなバーリの魅力を、詳細な情報、周辺情報、観光、グルメ、そして私の個人的な感想を交えながら、2000文字以上でご紹介いたします。

バーリの概要と歴史的背景

バーリの歴史は、紀元前4世紀頃にギリシャ人によって築かれた「バリュム(Barium)」に遡ります。地理的な優位性から、古代ローマ時代には重要な港湾都市として発展しました。中世に入ると、ビザンツ帝国の支配下で東地中海との交易が盛んになり、さらにノルマン人、アンジュー人、アラゴン人といった様々な支配者の下で、その都市としての性格を変化させていきました。特に、聖ニコラウスの聖遺物がもたらされた11世紀以降は、重要な巡礼地としても知られるようになります。

現在、バーリはプーリア州最大の都市であり、経済、文化、交通の中心地となっています。現代的な街並みと、中世の雰囲気を色濃く残す旧市街が共存しており、訪れる人々に多様な魅力を提供しています。

バーリの観光:見どころと体験

旧市街(Bari Vecchia)

バーリ観光のハイライトは何と言っても、迷路のような石畳の小道が入り組む魅力的な旧市街(Bari Vecchia)でしょう。このエリアは、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気を醸し出しています。細い路地を歩けば、洗濯物が風に揺れる様子や、地元のおばあさんがパスタを手打ちしている光景に出会えることも。この生活感あふれる風景こそが、バーリ旧市街の最大の魅力と言えます。

サン・ニコラ大聖堂(Basilica di San Nicola)

旧市街の入り口にそびえ立つサン・ニコラ大聖堂は、バーリを代表する最も重要な宗教建築物です。11世紀に建てられたこのロマネスク様式の壮麗な大聖堂は、聖ニコラウスの聖遺物が安置されていることで、世界中から巡礼者が訪れます。荘厳な内部は、その歴史と信仰の深さを感じさせます。特に、石棺に眠る聖ニコラウスの遺骨は、静かに祈りを捧げる人々の姿が印象的です。

バーリ大聖堂(Cattedrale di San Sabino)

サン・ニコラ大聖堂と並び、旧市街に佇むもう一つの重要な教会がバーリ大聖堂(Cattedrale di San Sabino)です。12世紀に建てられたこの大聖堂もまた、ロマネスク様式で、その優雅なファサードと静謐な内部空間は訪れる者を魅了します。特に、地下にある洗礼堂跡からは、この土地の古い歴史を感じることができます。

スヴェーヴォ城(Castello Svevo)

旧市街の端に位置するスヴェーヴォ城は、12世紀にノルマン人によって建設され、その後フリードリヒ2世によって拡張された壮大な要塞です。現在は博物館として公開されており、城壁から見下ろすアドリア海の眺めは格別です。城内では、プーリアの歴史や文化に関する展示を見ることができます。

ペトレッラ劇場(Teatro Petruzzelli)

イタリアで4番目に大きいオペラハウスであるペトレッラ劇場は、バーリの文化的な象徴です。19世紀末に建設され、一度焼失しましたが、その後再建されました。豪華絢爛な内装は、オペラやバレエ鑑賞の雰囲気を一層盛り上げます。劇場ツアーに参加して、その美しさを間近で体験するのもおすすめです。

海沿いの散策

バーリの魅力の一つは、その美しい海岸線です。特に、旧市街から続く海沿いの遊歩道は、散策に最適です。アドリア海の爽やかな風を感じながら、青い海を眺める時間は、日頃の疲れを癒してくれます。夕暮れ時には、空と海が織りなす幻想的な光景を楽しむことができます。

バーリのグルメ:プーリアの味覚を堪能

プーリア州は、イタリアの中でも特に美食の地として知られており、バーリもその例外ではありません。新鮮な魚介類、オリーブオイル、野菜をふんだんに使った素朴で滋味深い料理は、訪れる人々を幸せな気持ちにさせてくれます。

オレキエッテ(Orecchiette)

プーリア州を代表する手打ちパスタであるオレキエッテは、バーリで必ず味わいたい逸品です。耳の形をしたこのパスタは、ソースがよく絡むのが特徴で、特にトマトソースやブロッコリー・ラベ(菜の花の一種)を使った「オレキエッテ・コン・チーメ・ディ・ラーパ」は、バーリのソウルフードとも言えるでしょう。

シーフード

アドリア海に面したバーリでは、新鮮な魚介類を堪能できます。イカ、タコ、エビ、ムール貝、そして地元で獲れる様々な魚を使った料理は、素材の味を活かしたシンプルな調理法で提供されます。特に、生牡蠣や、魚介をふんだんに使ったリゾットやパスタはおすすめです。

フォカッチャ・バリェーゼ(Focaccia Barese)

バーリのフォカッチャは、トマトとオリーブが練り込まれた、他では味わえない独特の風味を持っています。外はカリッと、中はふんわりとした食感で、軽食や朝食にもぴったりです。地元の人々が日常的に食べるソウルフードであり、パン屋さんやカフェで手軽に購入できます。

プーリアワイン

プーリア州は、プリミティーヴォやネグロアマーロといった力強く芳醇な赤ワインの産地としても有名です。バーリのレストランで、地元の料理と共に、こうしたプーリアワインを味わうのは、至福のひとときです。

バーリ周辺情報

バーリを拠点とすれば、プーリア州の魅力的な町々への日帰り旅行も可能です。

アルベロベッロ(Alberobello)

バーリから列車またはバスで約1時間半の場所にあるアルベロベッロは、特徴的な「トゥルッリ」と呼ばれる円錐形の屋根を持つ白い家々が立ち並ぶ、ユネスコ世界遺産に登録された幻想的な町です。そのユニークな景観は、まるで絵本の世界に迷い込んだようです。

マテーラ(Matera)

バーリからバスで約1時間半の場所にあるマテーラは、「サッシ」と呼ばれる洞窟住居が広がる、世界最古の都市の一つです。その独特の景観は、映画のロケ地としても有名で、歴史の深さを肌で感じることができます。

モノポリ(Monopoli)・ポリニャーノ・ア・マーレ(Polignano a Mare)

バーリから南に電車で30分~1時間ほどの場所にあるこれらの沿岸の町は、切り立った断崖に建つ白い家々と、エメラルドグリーンの海とのコントラストが美しいです。特にポリニャーノ・ア・マーレの断崖に張り付くように建つ町並みは圧巻です。

私の感想

バーリを訪れて、まず感じたのは、その「人間味あふれる温かさ」でした。旧市街を歩けば、地元の人々が生活している営みが間近に感じられ、観光地でありながらも、どこか素朴で親しみやすい雰囲気に包まれています。サン・ニコラ大聖堂の荘厳さ、スヴェーヴォ城からの海の眺め、そして何よりも、地元の人々の笑顔に触れることで、バーリという街がより一層愛おしくなりました。

グルメにおいては、期待を裏切らない美味しさでした。特に、オレキエッテは、その素朴な見た目とは裏腹に、ソースとの絶妙な絡み合いが何とも言えません。新鮮なシーフードも、素材の良さを最大限に活かした調理法で、何度でも食べたくなる味でした。

バーリは、華やかさよりも、地に足のついた、しかしながら深い魅力を持つ都市だと感じました。アドリア海の青い海、歴史を感じさせる石畳、そして人々の温かさ。これらの要素が融合し、訪れる者に忘れられない感動を与えてくれます。プーリア州の玄関口として、またそれ自体が魅力的な目的地として、バーリは多くの旅行者にとって、きっと素晴らしい体験を提供してくれるはずです。

まとめ

バーリは、歴史、文化、グルメ、そして美しい自然が調和した、魅力あふれる都市です。旧市街の迷路のような路地を散策し、歴史的な教会や城を訪れ、プーリアならではの美味しい料理を堪能する。そして、アドリア海の爽やかな風を感じながら、ゆったりとした時間を過ごす。バーリは、イタリアの隠れた宝石と言えるでしょう。周辺の魅力的な町々へのアクセスも良いため、プーリア州を深く知るための拠点としても最適です。ぜひ、この温かく、そして豊かな都市バーリを訪れて、あなた自身の特別な思い出を作ってみてください。

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