ドゥブロヴニク:アドリア海の真珠、ラグーザの魅力
アドリア海に面したクロアチアの宝石、ドゥブロヴニク。かつて「ラグーザ」と呼ばれたこの都市は、その美しい街並みと豊かな歴史で、世界中の旅行者を魅了し続けています。断崖絶壁に築かれた城壁、青く輝く海、そして石畳の小道。歩を進めるたびに、時が止まったかのような錯覚に陥るでしょう。ここでは、ドゥブロヴニクの魅力を、都市の詳細から周辺情報、観光、グルメ、そして旅行者の声まで、余すところなくご紹介します。
ラグーザ(ドゥブロヴニク)の概要と歴史
地理と気候
ドゥブロヴニクは、クロアチア最南端、ダルマチア地方の沖合に位置しています。地中海性気候に属し、夏は温暖で乾燥しており、冬は穏やかで雨が多くなります。観光のベストシーズンは、温暖で日照時間の長い5月から10月にかけてですが、春や秋は比較的混雑も少なく、過ごしやすい気候でおすすめです。
歴史的背景
その歴史は古く、7世紀にスラヴ民族の移住により設立されたとされています。当初は「ラウサ」と呼ばれていましたが、後に「ドゥブロヴニク」へと改名されました。中世には「ラグーザ共和国」として、海洋交易で栄え、ヴェネツィアやオスマン帝国とも渡り合うほどの強大な勢力を誇りました。その独立性は長く維持され、独自の文化と繁栄を築きました。この豊かな歴史は、旧市街の建築様式や街並みに色濃く残されています。1991年のクロアチア独立戦争では、セルビア・モンテネグロ軍による激しい攻撃を受け、大きな被害を受けましたが、国際社会の支援もあり、驚異的な復興を遂げました。
世界遺産:旧市街
ドゥブロヴニク旧市街は、1979年にユネスコ世界遺産に登録されました。約2kmに及ぶ壮大な城壁に囲まれ、その内部には中世の面影を色濃く残す石造りの建物がひしめき合っています。迷路のような石畳の小道、色とりどりの花が飾られた窓辺、そして静かに佇む教会。どこを切り取っても絵になる風景が広がっています。
ドゥブロヴニクの観光スポット
城壁ウォーク
ドゥブロヴニク観光のハイライトは何と言っても、旧市街を取り囲む城壁の上を歩くことです。約1.9kmの城壁からは、赤茶色の屋根とエメラルドグリーンの海が織りなす絶景を360度見渡せます。城壁の上には、数多くの見張り台や要塞があり、当時の防衛の様子を偲ぶことができます。所要時間は約1時間半から2時間ほどですが、日差しが強い時期は水分補給と帽子を忘れずに。
ロブリイェナツ要塞(Fort Lovrijenac)
旧市街の西側にそびえ立つ、海に突き出た断崖に建つ要塞です。その威容から「アドリア海のジブラルタル」とも称されます。要塞の上からは、旧市街と城壁、そして紺碧の海を一望できる、息をのむようなパノラマが広がります。夏の野外演劇「ハムレット」の舞台としても有名です。
旧港
城壁の南東側に位置する旧港は、かつてラグーザ共和国の交易の拠点でした。現在も多くの漁船や観光船が行き交い、活気にあふれています。港沿いにはカフェやレストランが並び、休憩をしながら景色を楽しむのに最適です。
総督邸(Rector’s Palace)
かつてラグーザ共和国の総督が執務を行っていた建物です。ゴシック様式とルネサンス様式が融合した美しい建築で、現在は博物館として、当時の調度品や芸術作品が展示されています。歴史の重みを感じさせる空間です。
ドゥブロヴニク大聖堂(Cathedral of the Assumption)
旧市街の中心部に位置する、バロック様式の壮麗な大聖堂です。17世紀に建てられ、内部にはティツィアーノの祭壇画「聖母被昇天」をはじめ、多くの芸術作品が収蔵されています。
ケーブルカー(Dubrovnik Cable Car)
旧市街のすぐ外から、スルジ山(Mount Srđ)の頂上へと結ぶケーブルカーです。山頂からは、ドゥブロヴニク旧市街、城壁、そして周辺の島々を一望できる、まさに絶景パノラマが広がります。特に夕暮れ時は、オレンジ色に染まる街並みが幻想的で、感動的な光景を目にすることができます。
ドゥブロヴニク周辺の魅力
ロクルム島(Lokrum Island)
旧港からフェリーで約15分の場所にある、緑豊かな島です。原生林に覆われた自然豊かな島で、野鳥のさえずりを聞きながら散策を楽しめます。中世の修道院跡や、映画「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地としても知られる場所もあり、静かでリラックスした時間を過ごすのに最適です。海水浴やシュノーケリングも楽しめます。
エラフィティ諸島(Elafiti Islands)
ドゥブロヴニクの北西に浮かぶ、3つの主要な島(カニェト、ロプリュド、シュルドゥリ)からなる島々です。それぞれ異なる魅力があり、日帰りツアーで訪れるのが一般的です。美しいビーチ、隠れた入り江、そして地元の生活が息づく小さな村々を巡ることができます。特にロプリュド島にある、城壁に囲まれた美しい入り江は有名です。
モスタル(Mostar)
ドゥブロヴニクから日帰りまたは1泊で訪れることができる、ボスニア・ヘルツェゴビナの都市です。オスマン帝国時代の美しい石橋「スタリ・モスト(旧橋)」は有名で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。ドゥブロヴニクとはまた違った、エキゾチックな雰囲気を楽しめます。
コトル(Kotor)
モンテネグロの湾岸都市で、こちらもドゥブロヴニクから日帰りまたは1泊で訪れることができます。フィヨルドのような美しい湾に囲まれた旧市街は、城壁に守られた中世の面影を残しており、ユネスコ世界遺産に登録されています。
ドゥブロヴニクのグルメ
シーフード
アドリア海に面したドゥブロヴニクでは、新鮮なシーフードを堪能しない手はありません。イカ、タコ、エビ、ムール貝、そして新鮮な魚料理は絶品です。特に、グリルされた魚や、海老のリゾット(Crni Rižot – 黒いリゾット)はおすすめです。
ダルマチア料理
ダルマチア地方特有の料理も楽しめます。オリーブオイル、ハーブ、ニンニクをふんだんに使用した、シンプルながらも素材の味を活かした料理が特徴です。
- Peka:肉や魚介類、野菜をハーブと共に鉄のドームでじっくりと蒸し焼きにした料理。
- Pašticada:牛肉を赤ワインでじっくり煮込んだ、ドゥブロヴニクの伝統的なご馳走。
ドゥブロヴニクワイン
クロアチアはワインの産地としても知られており、ドゥブロヴニク周辺でも質の高いワインが生産されています。地元のレストランで、ダルマチア地方の赤ワインや白ワインをぜひ試してみてください。
スイーツ
地元のお菓子も魅力です。
- Rožata:クレームブリュレのような、カスタードプディング。
旅行者の声・まとめ
ドゥブロヴニクを訪れた多くの旅行者は、その美しさに圧倒され、感動を語ります。城壁の上からの眺め、旧市街の石畳の散策、そしてアドリア海の青さ。まるで絵葉書のような景色が、日常の喧騒を忘れさせてくれます。
「息をのむほど美しい」「まるでタイムスリップしたかのよう」「城壁からの眺めは一生忘れられない」といった声が多く聞かれます。一方で、夏場の観光客の多さや、物価の高さについて言及する声もあります。しかし、それらを差し引いても、ドゥブロヴニクが持つ唯一無二の魅力は、多くの人々を惹きつけてやまないようです。
ラグーザ、つまりドゥブロヴニクは、単なる観光地ではありません。そこは、悠久の歴史と息をのむような自然美が調和し、訪れる者すべてに感動と安らぎを与える特別な場所です。アドリア海の真珠と呼ばれるにふさわしい、その魅力をぜひ一度、肌で感じてみてください。

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