ゾロトゥルン

観光・スイス

ゾロトゥルン:スイスのバロックの宝石

スイス中部、アール川のほとりに位置するゾロトゥルンは、その美しいバロック様式の街並みから「スイスのバロックの宝石」と称される魅力的な都市です。歴史的な建造物、穏やかな川の流れ、そして豊かな文化が息づくこの街は、訪れる人々を魅了してやみません。今回は、ゾロトゥルンの魅力に迫ります。

ゾロトゥルンの概要と歴史

ゾロトゥルンは、スイス連邦のゾロトゥルン州の州都であり、人口約1万7千人ほどの比較的小さな都市です。しかし、その歴史は古く、ローマ時代にまで遡ることができます。中世には司教座が置かれ、宗教的・政治的な中心地として栄えました。特に18世紀には、フランスの影響を強く受け、豪華なバロック様式の宮殿や教会が数多く建設され、現在の美しい景観を形成しました。

街のシンボルとも言えるのが、11の塔がそびえ立つ聖ウルバン大聖堂 (St. Ursen Cathedral) です。この壮麗な大聖堂は、ゾロトゥルンの街の歴史と信仰の深さを物語っています。また、街全体が保存状態の良い歴史地区であり、ユネスコの世界遺産候補にもなっています。石畳の小道、色とりどりの花々が飾られた窓辺、そして静かに流れるアール川。これらが一体となって、タイムスリップしたかのような錯覚に陥らせてくれます。

ゾロトゥルンの観光スポット

ゾロトゥルンには、見どころが満載です。じっくりと時間をかけて散策することをおすすめします。

聖ウルバン大聖堂 (St. Ursen Cathedral)

ゾロトゥルンの象徴であり、街の至宝です。1762年から1773年にかけて建設されたこのバロック様式の傑作は、その荘厳なファサードと、内部の美しい装飾で人々を魅了します。特に、堂内を照らすステンドグラスの柔らかな光は、神秘的な雰囲気を醸し出します。塔からの眺めも素晴らしく、街並みと周囲の風景を一望できます。

旧市街の散策

ゾロトゥルンの旧市街は、歩いて巡るのが醍醐味です。ラートハウス広場 (Rathausplatz) を中心に、美しい噴水や歴史的な建物が並びます。市庁舎 (Rathaus) の鐘楼からは、毎正時に鐘が鳴り響き、街に活気を与えます。

レーネ広場 (Löwenplatz) には、有名な「11の法則」にちなんで、11の塔を持つ建物が点在しています。これは、ゾロトゥルンがかつて11の地区で構成されていたことに由来すると言われています。街のあちこちに、この「11」の数字を見つけることができるでしょう。

また、イエズス会教会 (Jesuitenkirche) も見逃せません。こちらもバロック様式の美しい教会で、内部のフレスコ画は必見です。

ヴォーランド博物館 (Museum.Schloss.Werenberg)

かつての貴族の館を改装した博物館です。ゾロトゥルンの歴史や文化、そして芸術作品などを展示しており、街の過去に触れることができます。

アール川沿いの散歩

アール川沿いの遊歩道は、静かでリラックスできる場所です。川を眺めながらのんびりと散歩したり、カフェで休憩したりするのもおすすめです。天気の良い日には、川面に映る美しい街並みを楽しむことができます。

ゾロトゥルン周辺情報

ゾロトゥルンから日帰りで訪れることができる魅力的な場所もたくさんあります。

ビーベルン城 (Schloss Bieberstein)

ゾロトゥルンから電車で約30分の場所にある、美しく保存された城です。丘の上に建つ城からの眺めは素晴らしく、周辺の自然も豊かです。

リューチェン (Luzern)

スイスを代表する観光都市であるリュッツェルンも、電車で約1時間半とアクセス可能です。カペル橋やライオン記念碑など、見どころがたくさんあります。

ベルン (Bern)

スイスの首都ベルンも、電車で約1時間程度で訪れることができます。世界遺産に登録されている旧市街や、熊公園など、魅力的なスポットが満載です。

ゾロトゥルンのグルメ

ゾロトゥルンでは、スイスの伝統的な料理と、地元の特産品を味わうことができます。

チーズフォンデュラクレットといった、スイス料理の定番は外せません。温かいチーズがとろける様子は、見ているだけで幸せな気分になります。

また、ゾロトゥルンでは、ゾロトゥルナー・クーゲル (Solothurner Kugel) という、チョコレートでコーティングされた丸いケーキが有名です。お土産にもぴったりです。

地元で採れた新鮮な野菜や肉を使った料理を提供するレストランも多く、旬の味覚を楽しむことができます。アール川沿いには、雰囲気の良いレストランやカフェが点在しているので、お好みに合わせて選んでみてください。

ゾロトゥルンでの体験談と感想

ゾロトゥルンを訪れると、まずその静かで落ち着いた雰囲気に心が洗われるような気持ちになります。大聖堂の壮大さに圧倒され、旧市街の石畳を歩いていると、まるで時間が止まったかのようです。

私が特に印象に残っているのは、アール川沿いを夕暮れ時に散歩したことです。川面がオレンジ色に染まり、歴史的な建物がシルエットとなって浮かび上がる様子は、まさに絵画のようでした。地元の人々が穏やかに暮らす様子を眺めていると、日々の喧騒を忘れ、心からリラックスすることができました。

また、街のあちこちで見かける「11」という数字も、この街ならではのユニークな魅力だと感じました。単なる観光地ではなく、そこに住む人々の生活や歴史が息づいていることを感じさせてくれる、そんな温かさがありました。

ガイドブックに載っている有名観光地も良いですが、ゾロトゥルンは、ゆっくりと時間をかけて、その街の空気を肌で感じたい人におすすめの場所です。

まとめ

ゾロトゥルンは、スイスの喧騒から離れ、古き良きヨーロッパの雰囲気を味わいたい人にとって、まさに理想的なデスティネーションです。バロック様式の美しい街並み、歴史的な建造物、そして穏やかなアール川。これらが織りなす景観は、訪れる人々の心に深い安らぎと感動を与えてくれるでしょう。グルメや周辺観光も充実しており、スイス旅行の際には、ぜひ訪れていただきたい穴場と言えます。

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