ブローニュ=シュル=メール:フランス北部の魅力満載の港町
ブローニュ=シュル=メール(Boulogne-sur-Mer)は、フランス北部、パス=ド=カレー県に位置する、歴史と活気に満ちた港町です。ドーバー海峡に面し、イギリスとの距離も近いため、古くから交易の要衝として栄えてきました。今回は、この魅力的な都市の詳細、周辺情報、観光、グルメ、そしてまとめまで、隅々までご紹介します。
ブローニュ=シュル=メールの概要と歴史
ブローニュ=シュル=メールは、その名の通り、海(メール)に面したブローニュを意味します。古くはローマ時代から交易港として栄え、中世には重要な港湾都市へと発展しました。特に、毛織物の交易で富を築き、城壁に囲まれた旧市街は、その栄華を今に伝えています。第二次世界大戦では大きな被害を受けましたが、戦後、復興を遂げ、現在では漁業と観光の拠点として、国内外から多くの人々が訪れる活気ある町となっています。
地理的特徴とアクセス
ブローニュ=シュル=メールは、フランス北部のカレーから南西へ約30km、アラスからは北西へ約80kmの距離に位置します。ドーバー海峡に面しているため、イギリス、特にフォークストンとのフェリー便も運航しており、手軽な海外旅行の拠点としても利用できます。
公共交通機関でのアクセスも良好です。パリからはTGV(高速鉄道)でリール(Lille)まで行き、そこからローカル線に乗り換えるか、またはアラス(Arras)やカレー(Calais)といった近隣都市からバスや電車を利用するのが一般的です。
* **パリからのアクセス例:**
* パリ北駅 (Gare du Nord) からリール・ヨーロッパ駅 (Lille-Europe) まで TGV で約1時間。
* リール・ヨーロッパ駅からブローニュ=シュル=メール駅 (Gare de Boulogne-sur-Mer) までローカル線で約1時間半~2時間。
車でのアクセスも、主要な高速道路 (A16など) が通っているため便利です。
ブローニュ=シュル=メールの観光スポット
ブローニュ=シュル=メールには、歴史的な遺産から現代的なアトラクションまで、多様な観光スポットがあります。
旧市街 (La Ville Fortifiée)
城壁に囲まれた旧市街は、ブローニュ=シュル=メールのハイライトの一つです。13世紀に築かれた城壁は、現在もほぼ完全な形で残っており、その上を歩くことができます。城壁から眺める町並みや港の景色は格別です。
* **城壁散策:** ぐるりと城壁を一周することで、町の構造や歴史を感じることができます。
* **サン=ニコラ=デ=マージュ教会 (Église Saint-Nicolas-des-Mageurs):** 旧市街の中心に位置する歴史的な教会で、美しいステンドグラスが印象的です。
ナウティカ (Nausicaá)
ナウティカは、ヨーロッパ最大級の水族館であり、海洋生物センターです。広大な施設には、サメ、マンタ、アザラシなど、世界中の海の生き物たちが展示されています。子供から大人まで、海の多様性と神秘に触れることができる、家族連れに大人気のスポットです。
* **巨大水槽:** 圧倒的な迫力で泳ぎ回る魚たちの姿は圧巻です。
* **展示:** 各地の海洋環境を再現した展示や、海洋保護に関する啓発活動も行われています。
港と漁港エリア
ブローニュ=シュル=メールは、フランスで最も重要な漁港の一つです。活気あふれる漁港エリアでは、水揚げの様子を垣間見たり、新鮮な魚介類を扱う市場を訪れたりすることができます。
* **新鮮な魚介類:** 港の周りには、新鮮な魚介類を味わえるレストランや販売店が軒を連ねています。
* **港の風景:** 停泊する漁船や、行き交う船を眺めるだけでも楽しめます。
その他
* **ミュゼ=デ=ボザール (Musée des Beaux-Arts):** 美術館では、絵画や彫刻など、様々な時代の芸術作品を鑑賞できます。
* **サン=ピエール=エ=サン=ポール教会 (Église Saint-Pierre-et-Saint-Paul):** 旧市街の外にある、もう一つの歴史的な教会です。
ブローニュ=シュル=メールのグルメ
港町ならではの新鮮な魚介類は、ブローニュ=シュル=メールの食の主役です。
シーフード
* **ムール貝 (Moules):** フランス北部の名物であるムール貝は、ここでぜひ味わいたい逸品です。白ワイン蒸しやクリーム煮など、様々な調理法で楽しめます。
* **カキ (Huîtres):** 新鮮で濃厚な味わいのカキは、生でいただくのがおすすめです。
* **舌平目 (Sole):** ドーバー海峡で獲れる舌平目は、繊細な味わいが特徴で、バターソースなどでシンプルに調理されることが多いです。
* **魚介の盛り合わせ (Plateau de fruits de mer):** 様々な新鮮な魚介類を一度に楽しめる贅沢な一皿です。
その他の名物
* **フレンチフライ (Frites):** ベルギーに近いこともあり、美味しいフライドポテトも定番です。
* **タルト・オ・マロン (Tarte aux marrons):** 秋には、栗を使ったタルトも楽しめます。
おすすめの飲食店
港の周辺や旧市街には、地元の人々で賑わうビストロやレストランがたくさんあります。新鮮な食材を使った家庭的な料理から、洗練されたシーフード料理まで、多様な選択肢があります。
### ブローニュ=シュル=メール周辺の情報
ブローニュ=シュル=メールを拠点に、周辺の魅力的な場所へも足を延ばすことができます。
カレー (Calais)
ブローニュ=シュル=メールから電車や車で約30分の距離にあるカレーは、ドーバー海峡を渡るフェリーの港として有名です。ロダンの彫刻「カレーの市民」があることでも知られています。
サン=オメール (Saint-Omer)
ブローニュ=シュル=メールから内陸へ車で約40分の場所にあるサン=オメールは、歴史的な教会や美しい運河が魅力の町です。
ベルギーへの日帰り旅行
電車や車で比較的短時間でベルギーへアクセスすることも可能です。例えば、ブルージュ(Bruges)やゲント(Ghent)といった美しい都市へ日帰り旅行を計画するのも良いでしょう。
まとめ
ブローニュ=シュル=メールは、歴史的な城壁、ヨーロッパ最大級の水族館、そして活気あふれる港を持つ、魅力的な港町です。新鮮なシーフードを堪能し、歴史に触れ、海の生き物に癒される、充実した旅を約束してくれます。パリなどの大都市とはまた違った、フランス北部ならではの素朴で温かい魅力を体験できる場所と言えるでしょう。
アクセスも比較的容易であり、周辺にはさらに多くの見どころが点在しています。忙しい日常から離れ、ゆったりとした時間を過ごしたい方、海と歴史、そして美味しい食事を求めている方には、ぜひ訪れていただきたい都市です。

コメント