カンヌ

観光・フランス

カンヌ:輝きと魅力を纏う南仏の宝石

カンヌとは

フランス南東部、コート・ダジュールに位置するカンヌは、世界的に有名な映画祭の開催地として知られる華やかなリゾート地です。紺碧の地中海に面し、青い空と輝く太陽、そしてヤシの木が織りなす絵画のような風景は、訪れる人々を魅了してやみません。かつては小さな漁村でしたが、19世紀後半から貴族や富裕層の避寒地として発展し、現在では高級ホテル、ブティック、カジノが立ち並ぶ、洗練された大人のためのリゾートとしてその名を知られています。

カンヌの魅力

カンヌの最大の魅力は、なんといってもその華やかさ優雅さです。毎年5月に開催されるカンヌ国際映画祭の時期には、世界中から映画関係者やセレブリティが集まり、街全体が熱気に包まれます。映画祭のメイン会場であるパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ周辺は、レッドカーペットが敷かれ、特別な雰囲気を味わうことができます。映画祭の時期でなくても、高級ブティックが軒を連ねるクロワゼット通りを散策したり、海岸沿いのカフェでゆったりと海を眺めたりと、贅沢な時間を過ごすことができます。また、古い町並みが残る旧市街(ル・シュケ)では、石畳の細い路地を歩きながら、歴史を感じさせる建物や教会を巡るのもおすすめです。展望台からは、カンヌの街並みと地中海の絶景を一望できます。

周辺情報・アクティビティ

カンヌは、コート・ダジュールの他の魅力的な都市へのアクセスも良好です。ニースまでは電車で約30分、モナコまでも約1時間と、日帰りで訪れることも可能です。また、カンヌ沖に浮かぶレランス諸島への船旅もおすすめです。中でも、修道士がワインを造るサント・マルグリット島は、美しい自然と歴史的な建造物が融合した静かで落ち着いた島で、日頃の喧騒を忘れさせてくれます。島内には、かつて「鉄仮面」が幽閉されていたという伝説のある要塞跡もあります。カンヌの海岸線沿いには、美しいビーチが点在しており、夏には海水浴やウォータースポーツを楽しむ人々で賑わいます。プライベートビーチを備えた高級ホテルの多さからも、カンヌがいかにリゾート地として発展しているかが伺えます。

グルメ

カンヌのグルメは、地中海に育まれた新鮮な魚介類をふんだんに使ったプロヴァンス料理が中心です。橄欖油、ハーブ、トマトなどを多用した、太陽の恵みを感じさせる素朴ながらも洗練された味わいが特徴です。

  • ブイヤベース (Bouillabaisse):マルセイユ発祥ですが、カンヌでも新鮮な魚介をたっぷり使った本格的なブイヤベースが楽しめます。
  • アイオリ (Aïoli):ニンニクをたっぷり使ったソースを、野菜や魚介と共にいただく郷土料理。
  • ソッカ (Socca):ひよこ豆の粉を薄く焼いたクレープのような料理。ニースが有名ですが、カンヌでも気軽に味わえます。
  • シーフード:新鮮な魚介類をグリルしたり、パスタやリゾットにしたりと、様々な調理法で楽しめます。

高級レストランから、地元の人が通うようなカジュアルなビストロまで、幅広い選択肢があります。クロワゼット通り沿いのレストランは、海を眺めながら食事を楽しむことができ、特別なひとときを演出してくれます。また、地元の市場を訪れるのもおすすめです。新鮮な果物、野菜、チーズ、そして魚介類などが並び、見ているだけでも楽しめます。市場で買った食材を、海辺でピクニックするのも良いでしょう。

観光スポット

カンヌには、映画祭以外にも見どころがたくさんあります。

  • クロワゼット通り (Boulevard de la Croisette):カンヌの象徴とも言える海岸沿いの大通り。高級ブティック、ホテル、カジノが立ち並び、散策するだけで華やかな雰囲気を味わえます。
  • パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ (Palais des Festivals et des Congrès):カンヌ国際映画祭の会場。建物の前には、歴代の映画スターの手形が刻まれた「スターの遊歩道」があります。
  • 旧市街(ル・シュケ – Le Suquet):丘の上に広がる古い町並み。石畳の細い路地を散策し、ノートルダム・デスピランス教会などを巡りましょう。
  • 城砦博物館(Musée de la Castre):旧市街の丘の上にある博物館。地元の歴史や民俗資料、地中海沿岸の美術品などが展示されており、庭園からの眺めも素晴らしいです。
  • フォールヴィル市場(Marché Forville):活気あふれる地元の市場。地元の食材や特産品が豊富に並びます。
  • レランス諸島(Îles de Lérins):カンヌ沖に浮かぶ2つの島、サント・マルグリット島とサント・オノラ島。静かで美しい自然が楽しめます。

特に、旧市街の丘の上からの眺めは、カンヌの青い海と白い街並みが美しく調和しており、写真撮影にも最適です。

感想

カンヌは、期待を裏切らない華やかさと洗練さを兼ね備えた街でした。クロワゼット通りを歩けば、高級車の音、きらびやかなブティックのショーウィンドウ、そして優雅に談笑する人々といった、まさに映画のワンシーンのような光景が目に飛び込んできます。映画祭の時期でなくても、その雰囲気はしっかりと残っており、日常から離れた特別な空間にいることを実感させてくれます。
一方、旧市街に足を踏み入れると、そこにはまた違ったカンヌの顔がありました。細い路地を歩き、石畳の階段を上っていくと、歴史を感じさせる建物や、地元の人々の生活が垣間見えます。頂上からの眺めは、まるで一枚の絵画のようで、ここでもカンヌの魅力を存分に感じることができました。
グルメに関しても、新鮮な魚介類を使ったプロヴァンス料理は、期待以上に美味しく、地中海の恵みを堪能しました。海を眺めながらの食事は、まさに至福のひとときです。
周辺のレランス諸島への小旅行も、カンヌとはまた違った趣があり、リフレッシュできました。
カンヌは、単なるリゾート地というだけでなく、歴史、文化、そして芸術が息づく、多様な魅力を持つ都市だと感じました。

まとめ

カンヌは、高級リゾートとしての華やかさと、歴史を感じさせる落ち着き、そして地中海の豊かな自然が調和した、他に類を見ない魅力を持つ都市です。映画祭の時期に訪れれば、その熱気と興奮を肌で感じることができ、それ以外の時期でも、ゆったりとした時間を過ごすことができます。美しいビーチ、美味しいグルメ、そして周辺の魅力的な街へのアクセスも良好で、コート・ダジュール観光の拠点としても最適です。洗練された大人の旅を求める方、あるいは映画の都の雰囲気を味わいたい方にとって、カンヌは間違いなく素晴らしい選択肢となるでしょう。

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